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本日、法人のお客様を月次訪問してきました。

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 本日(9/22、木 )、法人のお客様を月次訪問してきました。このお客様は、取引開始当初から自計化されているお客様で、仕訳帳と試算表は事前に郵便で届いております。

 この二つが私の事務所に届くと、私はまず最初に仕訳帳を月初から月末までしっかりと目を通します。視線は適用欄と科目欄とを行ったり来たりして、科目選定のミスがないかどうかしっかりと見ます。ここでしっかり見ておかないと次の段階で経営分析をしますからそのあとで修正が入ると色々と面倒なことになるのです。もし、修正が発生したら直ちに電話連絡し、ファクスにて修正後の正しい試算表を送っていただきます。ファクスはあまり使いたくはないのですが仕方ありません。送り先を間違えないように注意して送っていただきます。

 次に試算表のデータの取り込み作業です。これは、わりと簡単な作業です。理屈を理解すれば誰にでもできる簡単な作業です。よく聞かれることなのですが、『税理士の関与のある自計化には税理士が指定する自計化ソフトでないとできないのですか?』とか、『税理士が使用している業務用ソフトと同じメーカーの自計化ソフトを使用してオンラインで結ばなければできないのですか?』とか聞かれますが、そんなことはありません!このように紙と郵送でしっかりとできます。今お使いの会計ソフトでも充分対応できます。

 さて、こうして私の業務ファイルにお客様のデータを取り込んだ後は改めて試算表のプリントアウト。事務所控えと提出用と二部プリントします。赤字か、黒字か、そこまでに至る要因はどの辺にありそうなのかよ~く見極めてお客様が見やすいように蛍光ペンで一つ一つマークします。その他にも、月次推移比較用の資料や前年同期比較用の資料などもプリントします。最近は各種補助金申請の検討用のため、前々年同期比較用の資料をプリントアウトすることが多くなりました。これらの資料も、お客様が見やすいように、また、しっかり見ていただきたいところを強調するために蛍光ペンでしっかりマークします。そのほか、赤ボールペンや青ボールペンでコメントを書き込んだりしていると、最初はモノクロだった資料が結構カラフルになってきます。あとはもう一度仕訳帳に戻り、摘要の内容に過不足があればコメントを付したり、それをリストにまとめます。

 最後に請求書と領収書を書いてこれで準備終了です。これは、もともと規模が小さくて仕訳の件数も少なく記帳代行手数料自体が少額でその半額の自計化顧問料を振り込んでもらったら振込手数料負担が大変なのと、近くに銀行が無いという事情で最初から現金でいただいております。

 約束していた日時にお客様の事務所に伺い、用意しておいた資料を出してそれを使いながら説明し、ときには世間話などもはさんで最後に次回翌月の訪問日を決め、お金をいただき、いつもはこれで大体一時間位でしょうか。

 本日はまだ続きがありました。それは、『インボイス制度』と『電子帳簿保存法』の説明をしてきたのです。

 【1】まずはインボイス制度の件。この法人の

  ① 主な売り上げは非課税売り上げです。だけど、少額ですが課税売上げもあります。

  ② よって、消費税法上は、いわゆる免税事業者に該当します。

  ③ 令和5年10月1日からいわゆるインボイス制度が導入されます。

  ④ そのインボイスは、免税事業者は発行できません。

  ⑤ しかもそのインボイスを発行するためには事前に税務署からインボイスの発行事業者の登録を受けなければ

    なりません。

  ⑥ その登録の受付は令和3年10月(来月です)1日から開始されますが

  ⑦ ③の日付に間に合わせるためには令和5年3月31日までに登録申請の手続きをしなければなりません。

  ⑧ 基本は以上ですけれど、将来、御社のお客様からインボイスの交付を求められる可能性が無ければ、このまま

    免税事業者で居続けることも可能です。

  ⑨ いずれにしても、⑦の期限にはまだ時間があるから、それまでによく見極めましょう、と この件については

    これにて終了です。

 【2】次に電子帳簿保存法の件

  ①  この制度は、大雑把に言えば今までは電子的に作成し電子的にやり取りしたどんな書類でも全て紙で保存

     できたけれど、令和4年(来年です)1月1日以後は電子的に作成し電子的にやり取りした書類は全て電子

     的に保存し、紙で作成した書類は紙で保存しなければならなくなったということでしょうか。

  ②  国税庁のHPの資料に即していうと山は大きく分けて三つ

     ・ 電子計算機を使用して作成する帳簿書類

     ・ スキャナ保存

     ・ 電子取引

ただ社長さんのお話を伺う限りでは、

     ・自ら自計化ソフトで仕訳帳・元帳・試算表・決算書等を作成し、パソコン内にデータは保存してはいる。

     ・しかし関係先から郵送されてきた書類をスキャンして保存するわけでもなく、

     ・メールで届く書類は一切無いとのこと。(ホントデスカ?と思わず言ってしまいました。) 

ただ税理士として気になるのは、今 行政はヒステリックなまでに電子化・デジタル化を推進していることです。今後、行政からの書面が一気に電子メールに置き換わるかもしれないので 一応今のうちに、

     ・ 今お使いのソフトのメーカーにこの件に関し今後どのように対応する方針なのか確認しておいて下さい。

       最悪、私が使っている業務用ソフトのメーカーから簡易的なソフトの提供ならできそうな感触を得て

       おりますが一番良いのは同じメーカーのソフトを使うことです。

     ・ 本当にメールによる連絡はありませんか、例えば、口座引落し額の連絡のメールなどありませんか

等々お話しして、最後は、“もっとも、新年早々調査に来るとは思えませんけどね!!”と大笑いして辞去してきました。

このように二件ともすぐには影響なさそうだなと思えても 常に早め早めの対応を心掛けてはいるのですが、さすがに今日は少し早すぎたかも? スコシキョトントシテイタヨウナ・・・

 今日は何といつもの倍の二時間かかってしまいました。疲れました!!