法人には、決算・申告をする義務があります。これらは法律によって定められているものです。以下では、決算業務、申告業務について解説します。
■決算業務
・月次決算
月次決算は、法律によって定められているものではなく、会社の経営管理を目的に行うものです。その内容は、単に試算表だけを毎月作成するレベルのものから、その試算表に減価償却費を当月分のみ引き当て、売り掛け、買い掛け、未収、未払い、前受け、前払い全て計上し、在庫も加味して、ほぼ本決算に準ずる試算表を毎月作成するレベルのものまで、会社規模に応じて色々あります。経営者はそれらの情報から会社の財政状況や営業状況を把握します。会社の規模や業種、報告対象者など、クライアントの要望に応じて月次決算のフォームを決めることができます。
・年次決算
年次決算とは、1年に1度行うもので、決算書を作成する業務のことです。これは会社法に義務付けられているもので、株主総会の終結後その決算書を広告しなければなりません。年次決算を行うことで、1年間の経営活動や財政状況を振り返ることができます。それをもとに、次年度以降の経営戦略を立てることになるため重要な仕事です。
■申告業務
法人の場合、一度に様々な種類の税務申告をしなければなりません。法人税、法人住民税、法人事業税、消費税、など税務申告が必要な税金の種類は様々です。そして、確定申告に際しては、決算を確定させる必要があります。決算手続きは、まず最初に資産や負債を確定させなければなりません。具体的には、銀行口座や売掛金、貸付金などの資産項目、買掛金、借入金などの負債項目の確認を行います。そして、決算修正仕訳を入力して、いわゆる税引前利益を計算します。その利益の額をもとに所得額を計算し、さらに税率をかけて税額を計算していきます。税額が全て計算できたら『未払法人税等』として決算修正仕訳(最終)を入力して、決算を締切ります。あとは最終の試算表から貸借対照表と損益計算書を作成して主な決算業務は終了です。次に各税金の申告書を作成し、提出・納付をすれば申告業務も終了です。
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