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定額減税を年調一括対応したら労基法でお目玉食らうかも!

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 定額減税、いよいよ6月からスタート!

 混乱必至! 定額減税!

 ややこしい! 複雑な制度!

 開始直前ではいろいろ言われましたけれども、あっという間にひと月が過ぎ、もう7月です。

 開始前、世間では大騒ぎしていましけれど、とりあえず何事もなくそろりとスタートしたのでしょうか。すごく静かなような気がします。個人的にはホッとしています。そんなある日、ひと月前の記事ですが、気になるものを見つけましたので要約してアップします。  

 企業・個人事業主等の源泉徴収義務者は、令和6年6月1日以後に従業員等に支払う給与等の源泉徴収税額から、定額減税額を控除する『月次減税』を行う必要があります。『月次減税』の対象となる,6月1日時点に在職する『基準日在職者』に『月次減税』を実施せず、年末調整に減税対応を先送りすることは認められておりません。源泉事務に携わる皆様にとっては、すでにミミタコ状態の事柄かと思いますが、これらのことについて衆議院財務金融委員会で野党議員から次のような趣旨の質問があったそうです。即ち ① 税法上の罰則はあるのか、② 労働基準法上の罰則はあるのか、と。

 これらの質問に対して、①の質問対して国税庁からは「税法上の罰則は設けられていないが、法令に従い適切に定額減税に係る事務を実施いただく必要があると考えている」という答弁があり、②の質問に対しては厚生労働省から「労働基準法において、賃金は、通貨で、直接労働者にその全額を支払わなければならないとされ、その例外として、『法令に別段の定めがある場合』には、賃金の一部を控除して支払うことができるとされている。この『法令に別段の定めがある場合』には、所得税の源泉徴収などが該当するが、税法に基づき、6月の給与での源泉徴収から定額減税をしなければならないとされている労働者に関して、これを先送りして年末調整で定額減税をすることは、6月の賃金から税法に定められた本来の源泉徴収額より過大な税額を控除することになると考えられる。こうした過大な税額の控除については『法令に別段の定めがある場合』に該当すると評価することはできないことから、労働基準法違反になるものと考えられる。罰則については30万円以下の罰金と定められている。」という答弁があったそうです。

 なんと! 月次減税事務を省いて年調減税事務だけで済ませると30万円以下の罰金だそうです!

 なお、この件に関し内閣官房長官から記者会見という形で「企業に労働基準法違反が認められた場合、労働基準監督機関はまず是正指導を行い、企業による自主的改善を図ることになり、直ちに罰則が適用されるものではない」というコメントがあったそうです。

 年末調整で一気にやっても結果は同じ!てなわけにはいかないということでしょうか。それだったら一気に振り込んでくれたほうがより効果大はきい、と思うのですが、いかがなものでしょうか、皆さま。