藤沢・茅ヶ崎・平塚で税務会計の相談窓口│かがわ税理士事務所 > 記事一覧 > 大法人等の皆様!!電子申告義務化に対応できていますか?え?
令和2年4月に電子申告が義務化されてから既に5年経過しましたが、今年の7月に公表されたリーフレットによると、義務化対象法人であるにもかかわらず、法令に定められた方法で電子申告できていない法人が一定数あるとして注意喚起を行っています。
特に多い誤りとして「そもそも自社が電子申告義務化対象法人であることを認識していないこと、添付書類(特に、財務諸表・勘定科目内訳明細書・会社事業概況書)の一部又は全部を法令上定められていないデータ形式(PDF)や書面で提出していること」、を掲げています。
知りませんでした。大会社に関しては、ほぼ100%電子申告に切り替わっているものと思っておりました。というのも、私の経験からすると、大きな会社は絶対に電子申告の方が楽だと思っておりましたから。
上記『資格者紹介』のコーナーでも書きましたが、私、昭和53年4月1日付けで資本金38億5千万円の会社の職員になりまして、翌日から色々な部門・部署の実習という長い長ぁ~い旅に入りました。実習生は私を含めて6名。実習を終えたのは翌年の2月末日。人事課に代わり最後の実習先の所長から6名それぞれに翌日の正式な配属先を口頭で告げられ、翌3月1日私が出社したのは日本橋にある本社経理部でした。その会社は、決算期を変更したため今は3月決算ですが、当時は4月決算でした。で、“統括課”という主に決算を担当する課に配属され、最初にやらされたのは本支店勘定の照合という作業でした。フーフー言いながら何とか本支店照合を済ませ、4月末日の棚卸を済ませ、ゴールデンウィークの1日だけ統括課全員が休日出勤してなんとか提出日に日本橋税務署に提出しました。その量たるや、係長(男性です)は決算書・申告書などを鞄に入れて左手に持ち、右手には明細書がギッシリ入った大きな紙袋を持ち、私は同じように明細書がいっぱい入った大きな紙袋を両手に持ち、署の受付カウンターの上に申告書・決算書と紙袋三つを並べました。ヤレヤレと思いながら税務署を出ましたが、同じように大きな紙袋を下げた人がけっこう来ていました。帰りの地下鉄の中で『半年(本決算と中間決算です)ごとにこんなことやってるんですか?』と係長に聞いたら『そうだよ!』『何とかなんないもんですかね!』『ま、役所の決断次第だね』ということでした。
その後1年ほど経ってから私は部内異動により“資金課”という現預金・商業手形・有価証券などを管理する部署へ異動となりました。丁度そのころだったと思いますが、申告書の提出は “紙ではなくフロッピーディスク(今ではもう死語になっていると思います)によることも可”、となったはずです。あの時の係長も『楽になった!』と喜んでおりました。
こんな例もあります。私、平成2年に12年勤めた会社を退職し、その年の9月から税理士学校(正式名称ではありませんが便宜的にこう呼ぶことにします)に通い始め、税理士試験合格を目指しました。周りは全てライバルであるはずなのですが、面白いことに友人が5人できました。私を含めて6人、毎年8月上旬の試験が終わると必ず飲み会をやるようになりまして、それは最後の1人が合格するまで続きました。その中の1人の友人(私より5歳くらい年上です)は合格してからすぐに出身地の長野に戻り、早々と開業いたしました。で、翌年の8月幹事役の私が長野に電話をしまして、“来る?”“と言ったら”行く!!”ということに相成りまして、その年も、またまた6人の飲み会となりました。で、酔いも回りワイワイとなぜか話題が電子申告のことになったとき、その友人曰く、『イータックス 楽だ!!』5人『え~なんで?』『神奈川にいたときはわからなかったけど神奈川は都会なんだよ!!大都会!今いるところはねぇ、郵便局まで車で10分。一番近い税務署まで車で1時間ちょいと。いいかい?1時間だよ!!絶対やるべしイータックス!時間短縮!時は金なり!』なんだそうです。へえぇ~
翻って(?)当事務所の場合は、といいますと、未だに原則通り紙で出しております。これは、10年くらい前、全顧問先に一軒一軒口頭で電子申告を希望するか否かを確認したところ、全て『否』だったためです。仕方ないと思います。なぜなら、① 中小零細企業は未だ義務化されていない。② 税務署・県税事務所・市役所又は町役場は近くにある。③ 郵便局も近くにある。④ どの顧問先も提出すべき書類は少ない。という恵まれた(?)条件下にあります。これではいくら便利ですよ!楽ですよ!といったってなびかないと思います。
結論:当事務所では電子申告の導入はまだまだ先になるかと思います。