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同じ顔触れなのに変更登記とはこれいかに

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 私、平成3年9月に某税理士事務所(関内にありました)に就職してから平成14年7月に独立開業するまで自分自身すっきりと納得できない疑問点がいくつかありました。そのうちの一つがこの、『役員の変更登記』です。再任・重任の連続であって、役員さんの顔触れは全然変わらないのに、それでも登記の名称は『変更登記』なのです。何かピンときませんよね。参考までに、手もとの辞書には、再任とは『再び前の官職に任命されること。』とあり、重任とは『再び以前の役目につくこと。』とあり、さらに別の辞書には『再任』とも記されております。要は“同じ” “再び” “変わらない”といったイメージでしょうか。

 この件に関しては、ベテランの先輩に何度か聞いてみたのですが、“実は自分もよくわからない。”とか、“昔からこれでやっているので疑問にも思わなかった。”などと はぐらかされてばかりでした。

 でも開業当初から手許に置いてある『会社法務』に関する書籍にそれを何とか説明できる文章がありました。

* 取締役・監査役の重任 という項に

 『重任とは、一般に、同一人が任期満了と同時に再選され就任する場合をいいますが、・・・重任の場合は、登記事項という点から見れば、何ら変更を生じていませんので、変更登記の原因にはならないようにも考えられますが、このような場合であっても、その資格は実質的には変更されていますので、変更登記の必要があると解されています。』という説明があり、さらに続けて

『重任登記の要否』の根拠として、

・会社の役員重任の場合も、その登記を必要とする( 明治33・2・3 民刑局長回答先例集)。

・取締役が再選された場合であっても、取締役に変更があったものというべきであり、登記事項に

 変更を生じたものとしてその旨の登記を要する( 仙台高裁決定 昭和46・9・1)。

と、二つの事例を引用しております。

 明治と昭和だから少々古いような気もしますが、しかし『必要とする。』『要する。』と言われればこちらとしてはやるしかないでしょう。ただ、もう少しネーミングを何とかしていただければ二年ごとの登記も忘れることもなかたったのではないのではないのかなあと、そうすれば、職権で抹消される法人の数もそれほど多くはならなかったのではないのかなあと、これは一税理士のささやかな思いです。

 あとは平凡なようですが、手帳に書いておくとかカレンダーに書いておくとかして忘れないようにしておくこと。それしかないと思います。