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利益計上法人は▲で欠損法人は+だそうです

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 役所のホームページからの資料が続きますが、5月に国税庁が『令和2年度分会社標本調査結果について』という資料をホームページ上で公表しました。

  “調査結果のポイント”という項目を見ると、

⑴ 法人数

   ① 法人数全体は前年度比+1.6% であり、8年連続で増加している:とのこと。

   ② 利益計上法人数は前年度比▲0.3%であり、10年ぶりに減少している:とのこと。

   ③ 欠損法人数は前年度比+2.9%であり、2年ぶりに増加している:とのこと。

   ④ 全法人に占める欠損法人の割合は62.3%であり、これは前年度比+0.7ポイント:とのこと。

なお、上記の数字では連結法人を1グループ1社としており法人数全体から連結子法人の数を差し引いて集計しているそうです。

 しかし、あれほど抹消されている一方で、こんなに増加していたのですね。知らなかった…

⑵ 営業収入と所得金額

 全体の傾向としては、営業収入金額は前年度比▲9.1%で2年連続の減少。所得金額は前年度比+0.8%で2年ぶりの増加(と言ってはいるんですが、これはほぼ前年並みと言っても良いと思います。)

⑶ 法人税額

 法人税額は前年度比▲0.3%だそうです。(これもほぼ前年並み、といったところでしょうか。)

⑷ 繰越欠損金

 繰越欠損金の当期控除額は前年度比+9.9%で、同じく繰越欠損金の翌期繰越額は前年度比+16.9%となり、いずれも大幅に増加しています。

⑸ 交際費

 気になる交際費等の支出額は前年度比▲24.9%で、2年連続減少とのこと。すごい!激減ですね!

⑹ 寄附金

 寄附金の支出額は前年度比+31.7%で、こちらは逆に2年ぶりに増加だそうです。

 かなり端折ってしまいましたが、皆様、この数字をご覧になってどの様にお感じになりましたでしょうか。ちなみにこのデータには中小零細だけでなく上場会社などの大会社も入っているはずだから、中小零細だけに絞って作成したらもっとすごい数字になるでしょうね!

 この様な数字を見ていると、一税理士として気が重くなります。世間では声高に租税特別措置法等の優遇措置を指摘してやれどの制度はいいとか、どの制度が有利で得だのとしたり顔でしゃべる人がいます。でもそれはあくまでも税務上の優遇措置であって、上のような数字を見てしまうとその効果はいかほどのものかな、なんて思ってしまうのです。特に、中小零細に限ってみれば、ドンダケェー?なんてね・・・

 参考までに、同じ資料(報道発表資料)をご覧になりたい方は、国税庁のホームページから、 お知らせ→報道発表→国税庁発表分→令和3事務年度分、とたどれば、令和4年5月の行のところに『「会社標本調査」調査結果について』とあります。

 さらにもっと詳しい資料をご覧になりたい方は、同じく国税庁のホームページから、ホーム→刊行物等→統計情報→国税庁→標本調査結果→新着情報→「令和2年度分会社標本調査結果」を掲載しました。という行があり、それをクリックすると『会社標本調査結果』という順でたどり着けます。