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今年も続々と抹消されている(?)ようです。

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 前々々回の記事の中で、令和3年度の休眠会社等の整理作業(みなし解散)に関し、法務省のホームページによると、昨年 令和2年第12回整理作業で、解散したものとみなされた(つまりは職権により抹消された)株式会社数はなんと31,516社となっている、と書きました。その後、久しぶりに法務省のホームページを訪ね、同じページを見てびっくり!なんと、第12回(令和2年)の欄の次に第13回(令和3年)で解散したものとみなされた株式会社数として29,605社という数字が掲載されておりました。前回に比べて約1,900社少なくなっておりますが、それでも多いと思います。当然会社には通知書が届いているはずだから、それを無視したのか・抹消は覚悟の上だったのか・あるいは抹消を待っていたのかは定かではありません。まさか、その通知が役所に舞い戻ってきていた、なんてことはないでしょうね・さすがに。少し、考えすぎでしょうか…

 どんな会社でも設立するときはそれなりに目算があって設立されたはずです。ただ、見積もりが甘すぎて計画通りに行かず、わずか数年で実質休眠会社に陥ってしまったなんてこともあるかと思います。実際、電話による無料相談で『会社設立後14年間一度も決算・申告をしていないのですが大丈夫でしょうか?』という奇妙な内容の相談を受けたことがあります。7~8年前だったと記憶しています。声の感じから30歳くらいの男性でした。思わず『大丈夫じゃありません!』と答えてしまいました。結局この男性には、① 今後予想される状況をお話し、②  ①を踏まえて現実的な解決方法(ほとんど悪知恵でしたけど…その内容はとてもじゃないけどここでは書けません)を授けて、③ この件は税務ではなく登記の問題だからあとは司法書士の先生に相談にのってもらうようにアドバイスして相談を終了しました。

 あのときの、あの男性、今頃どうしているのだろうかと、ちょっぴり懐かしく、ちょっぴり心配に思えてなりません。“上手く” やれたんだろうか?と…アハハ…エヘヘ…

 話は変わりますが、私め、登録開業してからいつの間にか20年がたってしまいました。サラリーマンを辞め税理士試験を何とか潜り抜けたあと、1年9か月かけて三か所の事務所を渡り歩い(?)たのですが、もう務めるのがメンドクサクなって、えいやっと開業いたしました。開業後3年目にして頼まれたのが資本金2千万円の超赤字会社の解散と清算の業務。すっごく大変でした。話は端折りますが、解散の決議をし、解散の登記(ここでも登記ですよ!)をしてから清算決了の登記(またまた登記です!)を終え、一つの会社(親子二代約50年の歴史です)が適法ににこの世から消えたことを証する登記簿謄本を受け取るまで約3年弱かかりました。このときの体験と、それと、2年前の顧問先の物品販売業の有限会社の倒産(自己破産宣告)と、電話相談での経営者の方とのお話などを総合し、つくづく思うのですが、法人経営とは大変なことだと思います。何が大変かって立ち上げるのも大変、そのあと維持するのも大変、最後に閉じるのも大変です。お金もかかるし第一トップの方がエネルギーとモチベーションを維持するのが大変!それを支える税理士も大変です。仕方ないです。法人とは実体のない存在であり、法律により人格を与えられているだけの存在なのですから。何があっても何をしても登記・登記・登記です。個人だったらA4の書類一枚で済むのに。

 余計なお世話かもしれませんが、この抹消されてしまったうちの何社かは個人成り(法人成りの逆です)して職権による抹消を避ける道を検討する余地はなかったのかな、なんて考えてしまいます。

 この問題を知ってから、電話相談では安易に法人成りを勧めず、デメリットもしっかりとお話して、よくよく比較検討するようにアドバイスしなければ、と思うようになりました。

 ダラダラと長くなりそうなのでこの辺で終わりにします。